すぎのこ座談会

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すぎのこ座談会 〜私たちの保育〜

大浦みずき経堂保育園 4歳児担当 保育士4年目

小林桃子経堂保育園 0歳児担当 保育士2年目

猪瀬智也烏山杉の子保育園分園みなみ風 5歳児担当 保育士4年目

松浦昌志鳩ぽっぽ保育園 1歳児リーダー 保育士6年目

田中昭美鳩ぽっぽ保育園分園かもめ 1歳児担当 保育士2年目

清水美貴家庭的保育事業所かもめのいえ 副主任 保育士14年目

保育の現場に入ってまず驚いたこと、迷ったことはありますか?

猪瀬学生時代にここの保育園でバイトをしていて、いいなと思って入ったのでそんなにギャップはなかったのですが、入って1年目は大変でした。

どんなことが大変でしたか?

猪瀬開園したばかりの分園だったので、主任とリーダー2人以外は全員同期の新人職員で。2歳児を一人でお願いしますと、いきなり任されることにびっくりしました。初めての現場だったので、最初は緊張の連続でした。

田中さんも分園の開設メンバーで、皆さん横並びで始まったと思いますが?

田中1年目だし開園したばかりで何もかもわからない状態でした(笑)。

特に迷ったことは?

座談会風景田中リーダーや先輩もいてくれたので、迷ったときにはいろいろアドバイスをもらいながらやれたので大丈夫でした。でも子どもが泣き止まないときは、どうしようかと思いました。抱っこしたらよけい泣くし、先輩が抱っこしたらすぐ泣き止むので、戸惑ったことはありました。

清水さんは、来ていきなりの副主任でしたが?

清水そうですね、全員が初顔合わせの職員の中でスタートって言うのは大変なことも多かったんですけど、話し合いを多く持つことで仕事もできたし、職員同士の関係作りは早く出来ました。今では、子どもの対応のばらつきをどう統一するかなどの課題をみんなで話し合えるまでになりました。

大浦さん、小林さんは驚いたことありますか?

小林やっぱり子どもが泣いたときはどうしていいかわからなくて、抱っこしても泣いちゃうこともあるし、思っていた以上に「どうしたらいいんだろう」が多くて、そのぶん先輩に聞いて教えてもらったりしています。

大浦1年目は、とにかく初めてだし、わからないことが多くて、必死についていくだけの印象が大きくて「困ったな」とか「どうしたらいいんだろう」と思っていました。

じゃあ、学生時代に思っていたことと実際の職場でのギャップはあまりない?

清水けっこう重労働だな、っていうのはありました。

一同 (笑)

清水もちろん楽だとは思ってなかったんですけど、子どもは抱っこにおんぶが当たり前だし、体力のいる仕事だなと実感しました。

松浦僕が思ったのは、実習生だと子どもに関わることがメインだと思うんですけど、職員となると子どもだけじゃなくて親御さんと関わることが多いじゃないですか。そこでどう仲良くなるか、どう信頼関係を築くか、というのも大事な保育士の仕事だというのを入ってから気付かされました。

杉の子保育会の保育ってこんな保育「共に育つ」「遊びの自立」

猪瀬うちの保育園に一人、未確認生物が好きな子どもがいて、お泊まり保育のときに影絵でネッシーやツチノコがでてきました。子どもたちの興味あることを「面白いからやってみよう」と言える環境は、とてもいいなと思っています。

大浦私は「子どもに寄り添う」「まずは子どもの気持ちを聞いて受け止める」というのを大事にしています。「まだそれは出来ないよ、難しいよ」っていうことも、「ダメ」と否定せずにその気持ちを受け止めてあげる。こういう姿勢は、園のどの職員にも共通していて、いいなと思っています。

小林例えば「ここはハイハイで」っていうところを立っちゃったりして、「ダメだよ」じゃなくて、「のぼりたかったんだよね」とか「ここはハイハイで通るんだよね」とか、否定じゃない言葉で、受け止めながら保育をしていくというのがいいなと思います。

猪瀬僕、園が近いので散歩先でよく経堂保育園と会うんですけど、子どもの人数が多いけど連携がしっかり取れていて、見ていてすごいなと…

大浦分園に比べると人数も多いし、3・4・5歳は一緒に散歩に行くと50名になることもあるので、職員とパートさんで必ず声をかけて、連携することは大事にしていますね。

松浦ここ何年か鳩ぽっぽ保育園でも特に重視しているのは「安全」についてですね。安全を確保することによって、法人の「共に育つ」とか「遊びの自立」へつながっていくのかなと。コーナー保育については、自分たちで遊び出せるようにという工夫をしたり、コーナーを定期的に変えたり、絵本は一週間に一回は変えるようにしています。

田中私もコーナー保育は大切にしていて、子どもたちが大人に言われるんじゃなくて、子どもたちだけで遊びを組み立てるのはすてきな保育だなと実感しています。

松浦すごい分かります。

田中本当に、だんだんと機能してきていますよね。

清水さんは、家庭的保育ということで0・1・2・3歳が縦割りで一緒に生活していますが、
どうですか?

座談会風景清水縦割り保育の良さを最近ようやく実感しています。2歳児がやるのを見て1歳児がトイレに自分たちで行くようになったり、0歳児が2歳児のまねをして同じように遊ぼうとしたり。少ない人数の中で保育しているから、そういうのが芽生えてくるのかなと思います。

田中分園でも延長保育の時間などは縦割りになるので、まだ1歳の子どもが自分達はおもちゃの取り合いをしてるのに0歳には「はいどうぞ」って渡していたり。そういう姿を見ると異年齢の関わりの大切さを感じます。

大浦経堂保育園では荒馬(太鼓などのお囃子にのせて踊る伝統芸能)をやっていて、荒馬踊りは年長になると運動会で披露します。0歳児からでんでん太鼓などで演奏に親しみながら、年長までかけてじっくり習得しています。先日それを卒園児に教えてもらう時間がありました。卒園しても先輩は先輩としてあこがれ。5歳の子どもたちも真剣に聞いて、教える小学生も真剣で、そういう行事を通して伝承していく、伝えていくというのはいいなと思いました。

これからの夢、目指したいこと

清水まだ「かもめのいえ」の家庭的保育がしっかり確立されていないので、もっと家庭的にどういうふうにしたらいい のか、より母親の目線にたった保育、家庭に近い保育というのを、園のなかでどういうふうに生かしていけるかなと考えて、普通の保育園にはない保育を作っていきたいなと思います。保育士としては、子どもとの関わりが慣れて来た年齢ではあるんですけど、伝え方の難しさは何年経っても変わらない。怒り方と叱り方の違いとか、子どもによっても伝わり方が違うんだなっていうのを日々失敗しながらいろいろとやってはいるんですが、1年目の保育士の方々にもどういう失敗をしたらどういう結果が出たというような、色んなアドバイスをしていきたいですね。

松浦今リーダーをやっているんですが、もっと下の人をがんがん引っ張っていきたいですね。あとは、出前保育をもう一度経験してみたいです。保育士1年目に出前保育というのがあって、園の外に出て知らない親子の前で手遊びしたりというのがあったんです。出前保育、みなさんやってますか?

一同 やっています。

松浦当時は自分の思っていたことができなくて悔しい思いをしたので、のちのちはそういうところへ出向いて、また成長した自分がどこまで親子支援できるのかっていうのを試してみたいですね。

田中私は、もう少し子どもの目線に合わせて気持ちを受け止められるくらいの、余裕のある保育をしたいな、と思っています。余裕がないと、成長している姿に気付けないことがあって、気付けないと子どもを褒められないので、もっと余裕を持って子どもと接していきたいです。

小林私は、言葉がけを丁寧に、より子どもの気持ちに寄り添って言えるようにしていきたいです。子たちを止めに入るときに「だめだよ」「危ないよ」と言うこともあるんですけど、なるべく丁寧に伝えたいなと思っています。あとは、子ども一人一人「遊びたいこと」が違うし、興味も変わっていくものだから、今はこの子がどういう遊びに興味があってどういうことが楽しいのかをアンテナを張りながら、それを見つけていって一緒に楽しく過ごせていけたら良いなと思っています。

大浦保育士4年目になったので慣れて来たところも多いけど、言葉がけが難しくて。つい強く言っちゃったり、今のは違うかなと毎日反省して振り返っています。こういうときにこういう言葉がけをしたら「今は伝わったかな」と手応えがあるんですけど、次の日同じことを言うと伝わらなかったり…。でも言葉をかけてみないとわからないし、失敗を恐れて何もしないじゃなくて、自分のなかでいろいろ試してみて、いろんな言葉をかけて、こういうときはこういう方法がいいんだなとか、色んな言葉がけの方法を見つけていきたいなと思っています。

猪瀬僕は4年目なんですけど、色んな人の話をちゃんと聞いて行きたいです。1年目の頃からリーダーやほかの職員に「今の子の気持ちこうだったんじゃない?」とか「あの子こういうふうに思ってたんじゃない?」って言われた時、自分の思ってたことと全然違うことだったりして気付かされることが多かったんです。だから色んな人の目線で子どもを見て行って、僕もその中の一人として、色んな人の話をちゃんと聞きたいです。たぶん経験を積んで行くと考え方が固くなっちゃうんですけど、そこはちゃんと新人職員にも耳を傾けたいし、色んな視点で子どもを見られるようにしていきたいですね。

保育士を目指すみなさんへ
それぞれの「仕事のやりがい」はここ!

座談会風景大浦人と関わる仕事なので、難しいこともいろいろあるんですけど、やっぱり子どもと毎日過ごすなかで一緒に遊ぶことはすごく楽しいし、子どもたちが毎日出来ることが増えていったり、成長を見られるのはすごく嬉しいです。一緒に「これができるようになったね」と喜べるのがいいところだと思います。

小林わたしは0歳児担当なのですが、入園時は人見知りの時期だったりもして、大泣きの出会いでした。そこから関係を築けていけると、お腹すいたときに「まんま」って言って自分の気持ちを示してくれたり。そういう子どもとの関わりに、すごくやりがいを感じています。

猪瀬子どもたちと過ごすのは楽しい時間だと思います。ゴハンを食べている何気ない時間とか、「今日何やったの」とおしゃべりしている時間はすごく楽しいです。日々大きくなって、姿が変わっていくところを見られるし、そこに自分が携わっていけることにやりがいを感じます。

松浦僕は大学へ入ったときは幼稚園の先生になりたかったんです。が、学生時代に保育園でアルバイトをしたことで保育園の良さを知り、保育士になろうと決めました。幼稚園だと3歳や4歳からですけど、保育園だと0歳から長い目で見て行けるという良さがあります。うちの法人の場合、卒園してからも小学生のクラブがあるので、より長く見ていけます。子どもたちの成長を追っていけることが一番のやりがいです。

田中自分の言葉がけひとつで子どもたちがやる気を出してくれて、できるようになることにやりがいを感じています。例えば着脱や、トイレなど。「できたね」って言葉をかけるととっても喜んでくれて、そこからきちんとできるようになったりします。一つの言葉がけで色んなことに挑戦してくれたり、できるようになったりすることは、本当に嬉しいです。

清水日々子どもたちの成長が楽しみで仕事に来ているような感じです。出来なかったことが今日は出来ているとか、小さな発見がたくさんあって、あっという間に一日が終わってしまう仕事です。保護者の方にも「預けてよかったわ」「ありがとう」という言葉をいただけるようになってからは、そこもやりがいの一つだなと思って、その言葉を励みに頑張っています。

杉の子保育会では…
職員(=大人達)は、子ども達の活動を「できる・できない」の狭い視点で評価したり、大人の思い通りを優先したりする関わりでなく、子ども達に共感する関わりを基本とし、子ども達がトラブルや失敗、葛藤をたくさん含んだ活動の過程全てを楽しむ体験を重ねることで、自分の世界を広げていく意欲を育みます。

大人達は子どもの遊びや興味が自然と広がる場所・材料・道具を揃え、いつでも自由に多様な表現が楽しめる環境を整え、大人の見守りと応援の中で、子ども達の「遊びの世界」が豊かに広がり、<意欲と自信=自分で自分を育てる力>を育みます。その力は「生活する力・身辺自立」や「関わる力・社会的課題解決への貢献力」へと繋がっていくのです。

今回の座談会では、若手保育士が保育とどう向き合っているかをお伝えしました。園は違っても、理念はひとつ。私たちはこうして思いをぶつけ合いながら、日々の保育を組み立てています。

座談会参加メンバー

座談会参加メンバー

猪瀬智也大浦みずき小林桃子田中昭美松浦昌志清水美貴

会場:家庭的保育事業所かもめのいえ 写真撮影:鈴木淳